
思い立ったら走り出す。それはナカシロらしい大胆構想の幕開けでした。

「この先、ただ建物を造っているだけでいいのか……」と、会長・社長をはじめ、ナカシロの経営幹部たちは、そんなことを思い始めていました。
21世紀に突入した日本は戦後最悪の失業率をマークし、企業の倒産や統合が相次ぐなど、深刻な不況にあえいでいました。時代がもたらす将来への不安は、ナカシロにとっても他人事ではありません。
「会社や社員を守るには安定収入を確保する別の道も探らなければいけない」
そう意を決した幹部たちは、“もう一つの事業柱構想”を具体的 に検討することにしました。漫画喫茶はどうか、賃貸マンションはどうかとアイデアが飛び交う中、一貫していたのは「どんな商売を立ち上げるにしても、本業が“建設屋”である以上、土地活用のモデルケースとなり、そのやり方をお客様に還元していく」という想い。そして思いついたのが「スーパー銭湯」です。
「そうだ、温泉だ! いまのスーパー銭湯よりワンランク大きい“スーパー温泉”にしよう!」
方向性が決定するや、全社員一致団結で走り出していたのです。