
■構造/鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)2階建
■建設地/愛知県安城市
安城市の中心部近くに位置し、近年区画整理が行われたばかりの住宅地。敷地の東側と北側に公道、南側に戸建住宅と5階建マンションが2棟並ぶ環境の中、「安城の家」の施工は行われました。お客様からの要望は「庭と関わる生活」「機能的で無駄のない空間」「カーテンをしない生活」「コミュニケーションを大切にした空間」という内容。細かいディテールは全て設計の先生に一任されており、そのこだわりの意匠図を具体的な施工図に仕上げるまで何度も書き起こし調整が入りました。壁や柱などの色を決める際、例えば「白色」一つに20~30のサンプルを用意し、さらに塗装工場に先生をお連れし現物素材に色付けしたものをチェックしてもらったこともあります。造り付けの家具・建具の選択も同様で、お客様と設計の先生とともに家具工場まで足を運び確認するという徹底ぶりでした。
従来のコートハウス形式は外部との隔絶が常識でしたが、「安城の家」は周囲との関係性も重視しています。そこを顕著に表しているのが“平屋”部分の多さです。低層住宅ながら、家の中は当然「広々とシンプルな空間」でなければいけないので、屋根の勾配を薄くフラットにしています。また「庭との関係性」も深めるため、開口部を広めに確保。サッシと木製建具との収まりを良くするため、部材を1個1個組み合わせているのも特長です。その建具をいかにシンプルに見せるか、またメンテナンスしやすいかまで考慮し、取手の位置と数、形状を細かく計算して決定。お客様と設計士と施工とが、つねに頭を付け合せた結果、新しい試みのコートハウスは完成しました。